甲斐犬について
甲斐犬標準
甲斐犬標準
【天然記念物甲斐犬愛護会標準】
●本質及び外貌
性徴良く表し、素朴にして沈着勇猛性を備え、行動軽快にして、敏捷迫力があり。
特に帰家性強く一代一主的傾向が強い。
表毛剛直にして綿毛は密であり、蓑毛を有する。
毛色は、黒虎毛、中虎毛、赤虎毛の三つに分類される。
体型的には猪犬型、鹿犬型がある。
体高は40-50cm。
●耳
適度に厚く三角形をなし形良く前傾し、耳の間は適度な広さを有し、耳の線緩みなく、他の日本犬種よりやや大きめである。
●目
やや三角形にして、虹彩暗褐色を呈し、毛色により多少の濃淡あり。
●口吻
口唇良く締まり色素良く、歯牙強靱、噛み合わせ正しい。
●頭頚
額広く額段適度に落ち込み、頚部適度な太さと長さを有史、緩み無きもの。
●背腰
背線直くにして、腰力強く締まっている。
●胸腹
胸深く、腹部適度に引き締まる。
●尾
尾は太く力強い差尾又は巻尾で、長さはほぼ飛節に達するものとする。
●四肢
強健にして飛節特に発達し強固にして且つ跳躍力、疾走力に富む。
●文部省天然記念物指定告示の添え書き
主トシテ山梨県下ニ飼育セラルルモノニシテ中北系日本犬ニ属スルモノナリ
中型ニシテ四肢強健飛節良ク発達シ毛粗剛ニシテオオムネ黒色及茶褐色ノモノ相半シ虎斑ヲ呈ス
大きさ、毛色
【甲斐犬の大きさ】
柴犬(日本犬小型)よりやや(五分=1.9cm)大きく、紀州犬(日本犬中型)より二回り(一寸=3.8cm)小さいという甲斐犬の大きさは、古来の日本犬(縄文遺跡から出土された犬骨より計寸したもの)と合致しているといわれています。
この「中小型」ともいうべき甲斐犬の大きさは、山梨県山間部という周囲から隔離された土地で長い間自然に固定された、本来の日本犬の体型だと考えられています。
【甲斐犬の毛色】
甲斐犬の一番大きな特徴である虎毛色は、黒色の毛と茶褐色の毛が混じりあった虎斑で、その混じり方の度合いにより3種類に区別されています。
洋犬のブリンドルや、秋田犬・北海道犬における虎毛とは構成が異なる独特の虎模様で、他の日本犬にみられる白・茶・薄茶等の毛色は混じりません(胸や足先の少量の白は認められています)。
黒虎毛:地色黒色にして茶褐色の虎斑を存する
中虎毛:地色薄黒色および茶褐色相半ばして虎斑を呈する
赤虎毛:地色茶褐色または薄茶色にして黒褐色の虎斑を存する
現在では黒虎毛の比率が最も多く、赤虎毛は現在では『幻の』と形容されるまでに少なくなっています。